レ点腫瘍学ノート

Top / 日記 / 2022年 / 7月13日

内科医でなくても腫瘍内科専門医?

腫瘍内科

日本臨床腫瘍学会から新専門医制度での腫瘍内科専門医のあり方に関して新しいコメントが出ました。

新専門医制度「腫瘍内科専門医」に関する経緯と今後について | 認定制度 | 日本臨床腫瘍学会
日本臨床腫瘍学会公式WEBサイトでは、患者・家族、国民、がんの研究者・医療者に対し、がんあるいはがん医療に関する国内外の情報を発信しております。
https://www.jsmo.or.jp/authorize/20220708.html

従来のがん薬物療法専門医は内科医でなくても外科系や婦人科・小児科・耳鼻咽喉科などがん診療に関わる様々な診療科から認定を受けるルートがあったのに対して、腫瘍内科専門医は内科専門医の2階部分として設計されていたのでこのルートがないことに対する解決策のようです。

しかし、内科系の中では消化器や呼吸器や血液などのプログラムとは並行研修できない今の縛りを課したままで内科系以外の専門医研修プログラムからのルートを認めると、内科系専門医なのに内科系以外からのほうが近道となる重大なバグが生まれそうで、少し心配です。

腫瘍内科が連動研修の対象から除かれているせいで、消化器・呼吸器・血液の各内科研修プログラムに入ると腫瘍内科専門医の資格が遠のくというバグを先に何とかしなきゃ…🤔。「広く内科全般を修めてからでなければ臓器横断的な腫瘍内科専門医と認められない」という当初の説明とめちゃくちゃ矛盾しているので。

外科系や小児科・婦人科などに門戸を開くのは別に反対しないけど、そこに門戸を開くなら先に(少なくとも同時に)消化器内科医・呼吸器内科医・血液内科医の専門研修プログラムにも門戸を開け!と言いたい気もします。

下に関連記事を挙げておきます。

いつも医療を取り巻く興味深い政治情勢を独自の視点で見せてくれるGemMedに、腫瘍内科医によるがん化学療法、がんゲノム医療の質向上、患者満足度向上などどう進めるかというがん対策推進協議会の議論の一角が紹介されました。腫瘍内科医によるがん化学療法、がんゲノム医療の質向上、患者満足度向上などどう進めるか―がん対策推進協議会(1) |
医学部定員に感染症科・救急科の優先枠を作るという報道日本の感染症専門医志願者が減りそうな新専門医制度の連動研修制限卒後6年目まで研修が開始されない感染症専門研修プログラム医学部の優先枠ではなく新専門医制度の見直しを医学部定員に感染症科・救急科の優先枠を作るという報道 医学部定員を操作して、感染症科・救急科の優先枠を作ろう

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更新日:2022-07-13 閲覧数:441 views.