レ点腫瘍学ノート

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update2014

膵癌術後化学療法の標準的なレジメンはどのようになっていますか。
S-1単独療法の投与サイクルはどうなっていますか。
S-1単独療法の副作用はどのようなものが、どの程度の頻度でありますか。
膵癌術後化学療法でどの程度再発率を下げることができますか。
転移再発膵癌化学療法のレジメンにはどのようなものがありますか。
転移再発膵癌化学療法で期待できる生存期間はどの程度ですか。
GEM単独療法の副作用はどのようなものが、どの程度の頻度でありますか。
GEM+エルロチニブ併用療法の副作用はどのようなものが、どの程度の頻度でありますか。
FOLFIRINOXにはどのような特徴がありますか。またどのような時に有用と考えられていますか。
局所進行切除不能膵癌に対するFOLFIRINOXのエビデンスはどのようなものがありますか。
一次治療がPDとなった場合にはどのような選択肢がありますか。
二次治療としてのS-1単独療法で期待される効果はどの程度ですか。
三次治療として標準的なレジメンはありますか。

切除できた場合の5生率は、体尾部で18%、すい頭部で13%

【術後化学療法】
CONKO-001試験
GEM 3W1R 6kで補助療法なし群に比較してDFS,OSともに有意に延長
JASPAC01試験(ASCO2013)
術後療法におけるS-1 6か月のGEM 6か月に対する非劣勢を示そうとした試験で、非劣勢どころか優越性を証明

【局所進行膵癌】
5FU+RT 50-60Gy
欧州でGEM+RTが検討され、5FU+RTやGEM単剤に比べて有意にOS延長したが、予定症例数を満たさずimmatureとされた。

【転移再発膵癌】
GEM単剤が5FUに対する優越性を示して以降はGEM単剤がまだまだスタンダード(Burris 1997 J Clin Oncol)。
PA.3試験(Moore 2007 J Clin Oncol)ではGEM+erlotinibがGEMに比べて有意にMSTが延長したが、その差は5.9 vs 6.2ヶ月とわずかであり、有害事象やコストの面からGEM+erlotinibは標準治療として十分には普及していない。
GEST試験(Ioka 2011 J Clin Oncol)ではGEM単独に対してS1単独の非劣性とGEM+S1(GS)併用療法の優越性を示そうとした。各群のOSは GEM 8.8 vs S1 9.7 vs GS 10.1ヶ月でありGEMに対するS1の非劣性は示されたがGSはGEMに対して有意な差を持った優越性は示せなかった。
ACCORD11試験(Conroy 2011N Engl J Med)ではFOLFIRINOXがGEM単独に比べて優越性を示した。OSは6.8 vs 11.1ヶ月。1年生存率は20.6vs48.4%。PS良好で有害事象に耐えうる症例のみに適用される。

MPACT試験(asco2013)
FOLFIRINOXやたはGEM+nabPACがGEMに比べて有意にOS延長

GEM+capeは英国でGEM単独に比べて6.0 vs 7.4ヶ月のMST延長を示したが、スイスでは有意な差が見られず、標準治療としては認められていない(Cunningham 2009 J Clin Oncol)。

【その他】
FOLFOXIRIとFOLFIRINOXの違い
FOLFOXIRI FOLFIRINOX
対象疾患 大腸癌 膵癌
サイクル 2週間 2週間
投与時間 3時間+48時間 4時間+48時間
投与順序 CPT11→L-OHP→5FU L-OHP→CPT11→5FU
CPT-11 量 165mg/m2 180mg/m2
L-OHP 量 85mg/m2 85mg/m2
5FU量 持続3200mg/m2 2400mg/m2

GONO試験(Alfredo Falcone 2007 J Clin Oncol)

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更新日:2019-12-03 閲覧数:1110 views.