レ点腫瘍学ノート

Top / 日記 / 2022年 / 5月4日

BRCAと相同組換え修復関連の最近の話題

一時期は極めて優秀な治療標的として注目を集めたHRD関連腫瘍ですが、BRCA1/2に対するオラパリブが優秀すぎて非常に注目を集めたものの、その後に続くBRCA1/2以外の遺伝子異常や、オラパリブ以外の治療薬は、どうも当初期待されたほどにはパッとしないことが続いているような印象があります。

去勢抵抗性前立腺癌のBRCA1/2以外の遺伝子異常

こちらは去勢抵抗性前立腺癌でのBRCA1/2またはその他の相同組換え修復関連異常がある際にどのような治療を選ぶかというエキスパートオピニオン。BRCA1/2の場合はPARP阻害剤を選択する人が大多数であるのに対して、BRCA1/2以外の場合は過半数の人がPARP阻害剤などではなく化学療法を選択する。

BRCA1/2が優秀なので他のHRDまでPARP阻害剤が推奨されたりすることもあるけど、HR関連遺伝子全体がちょっとバブルのように過大評価されてる感じはある。

まあそりゃそうよなぁ。BRCA1/2が優秀なので他のHRDまでPARP阻害剤が推奨されたりすることもあるけど、HR関連遺伝子全体がちょっとバブルのように過大評価されてる感じはある。 https://t.co/a4Ih6djK1w

— レ点🧬 (@m0370) April 30, 2022

PARP阻害剤へのATR阻害剤の上乗せ

こちらは #ESMObreast22 のスライドから。PARP阻害剤への上乗せで有効性が期待されていたATR阻害剤だが、BRCA変異の有無にかかわらず、あるいはHRDの有無にかかわらず、BRCA阻害剤オラパリブへのATR阻害剤セララセルチブの上乗せはPFSを改善しなかったとのこと。

あら。トリネガ乳癌でATR阻害剤セララチニブをPARP阻害剤オラパリブへ併用するのは、BRCAやHRDステータスによらずPFS改善せずネガティブと。相同組換え修復を標的にした治療はこの数年ほどは足踏みしてるな…。/#ESMObreast22 https://t.co/wtPlD1f8s9

— レ点🧬 (@m0370) May 4, 2022

BRCA変異は脳転移のリスク因子か

HER2乳癌は明らかに脳転移が多いのはよく知られています。そして、もしかしてBRCA乳癌もそうじゃないTNBCなどと比べて脳転移が多いんじゃないかという話も最近増えてきていたけれど、こういうデータで見るとわりとそれは真実っぽいですね。

HER2乳癌は明らかに脳転移が多いのはよく知られているとして、もしかしてBRCA乳癌もそうじゃないTNBCなどと比べて脳転移が多いんじゃないかという話も最近増えてきていたけれど、こういうデータで見るとわりとそれは真実っぽいな。 https://t.co/zZ0OI1j4zx

— レ点🧬 (@m0370) May 4, 2022
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更新日:2022-05-04 閲覧数:636 views.