レ点腫瘍学ノート

2020-07-20

ペムブロリズマブの400mg6週間毎投与法が承認へ

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ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の400mgの6週間毎投与が近々日本でも実施可能になりそうです。臨床試験は悪性黒色腫を中心に進められてきましたが、適応対象疾患は既存の200mgの3週間毎投与が承認されているすべての臓器になりそうです。

米国FDAでのペムブロリズマブ6週間毎投与承認

米国ではFDAが2020年4月末にペムブロリズマブの400mgを6週間毎投与という使用法を承認しました。

Hematology/Oncology News Burst
https://www.fda.gov/drugs/drug-approvals-and-databases/fda-approves-new-dosing-regimen-pembrolizumab

がん患者は易感染状態にある人も少なくない中で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でソーシャルディスタンスを保つためにも外来化学療法での病院受診自体の回数を減らしたいという思惑もあったようです。200mgを3週間毎という使用法ももちろん継続して実施できます(ニボルマブの2週間毎の240mgが承認されたときに2mg/kgや3mg/kgといった旧用量が削除されたときとは状況が違います)。

A new dosage for pembrolizumab of 400 mg administered every 6 weeks across all adult indications has been approved by the FDA, whether the PD-1 inhibitor is used as monotherapy or in a combination regimen.
https://www.targetedonc.com/view/fda-approves-every-6-week-pembrolizumab-dosage

ASCO2018で薬物動態データやシミュレーションデータに基づく発表*1がなされていたようですが、その後にAACR2020で悪性黒色腫において400mg6週毎投与群と200mg3週毎投与群を直接比較した第1相KEYNOTE-555試験コホートB*2も発表されています。

The Official Blog of the American Association for Cancer Research
https://www.aacr.org/professionals/blog/aacr-virtual-annual-meeting-i-results-presented-provide-basis-for-fda-decision-to-approve-alternative-pembrolizumab-dosing-schedule/

KEYNOTE-555試験そのものは現在も進行中ですが、コホートによりペムブロリズマブの様々な投与法が検討されており、中には皮下注射製剤による自己注射を検証するコホートもあります。今後はペムブロリズマブの皮下自己注射も登場してくるかも知れません。

https://www.ascopost.com/issues/june-10-2020/keynote-555-supports-6-week-pembrolizumab-dosing-schedule-in-melanoma/

他に6週間毎投与において体重に応じて投与量を決めるという検討もされている*3ようで、カナダなどでは体重に応じた用量決定が一般的なんでしょうか?日本や米国では体重に応じたペムブロリズマブ投与量決定はされていないしバイアル毎の残薬が出てしまうため、この投与法はあまり普及しなさそうです。

日本でのペムブロリズマブ6週間毎投与承認状況

日本独自のエビデンスというのはもちろん存在していないのですが、日本でも既存のすべての適応疾患に対してペムブロリズマブの400mg6週間毎投与の用法用量が認められるようです。8月に正式承認される見込みです。ほかにKEYNOTE-181試験の結果を元にPD-L1陽性(CPS 10以上)の食道扁平上皮癌の二次治療にもペムブロリズマブが承認されます(食道癌は二次治療におけるニボルマブ単独療法が承認されてからまだ日も浅いのですが、一次治療でのCPS陽性食道扁平上皮癌に対するペムブロリズマブ+FPのKEYNOTE-590試験や、ニボルマブ+イピリムマブとニボルマブ+FPとFPの3群比較のCheckMate-648試験が進行中で、中国からの抗PD-1抗体ティスレリズマブ(tislelizumab)の第3相試験も進んでいますから、今後忙しくなりそうです)。

https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=69594

Tag: KEYNOTE555 ペムブロリズマブ 悪性黒色腫 皮下注射 ドラッグデリバリー


*1 https://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.2018.36.15_suppl.3062
*2 2020 AACR Virtual Annual Meeting; April 27-28, 2020. Abstract CT042.
*3 https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2766704