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#author("2020-07-04T18:21:49+09:00;1970-01-01T18:00:00+09:00","default:tgoto","tgoto")
毎年5月末から6月初旬にかけてシカゴで開催される''米国臨床腫瘍学会(ASCO)''は今年は''新型コロナウイルス感染症(COVID-19)''の影響で現地での集合は取りやめられ、Web開催となりました。そして例年ASCOの翌月には世界各国でその注目演題のハイライトを紹介しディスカッションをする教育セミナー''Best of ASCO''が開催されていますが、これも今年は例年の東京ビッグサイトでの開催は取りやめとなり、オンライン開催となりました。
開催委員の間では色々と議論があったようですが、開催そのものへの要望があったことなども強く、Best of ASCOを開催するために日本臨床腫瘍学会(JSMO)からASCOにすでに開催ライセンス料を支払い済みであることなどもあったようです。
そういういろいろな経緯があって今回はインターネットでの開催となったわけですが、個人的には今回のWeb開催はかなりうまく行っていたのではないかと思います。Web開催ならではの利点もありました。ここに感想をまとめておきます。
*良かった点
**移動と宿泊の負担がない
これが最大の利点です。
関東以外から土日に東京ビッグサイトのセミナーを受けるために上京して宿泊するのは移動時間の面でも交通費・宿泊費の負担でも大変です。費用は職場によってはある程度職場で負担してもらえるとは言え、参加費も合わせて10万円くらいの出費になってしまうこともあります。移動せずに自宅でセミナーに参加できるというのは以前からJSMOの毎年夏のアンケートで「地方でも単位取得を容易にしてほしい」という要望が上がっていたのを一気に解決した画期的な改革だと思います。
**自宅で見られる
食事、休憩、トイレなど好きなタイミングでできる、飲み食いをしながらパソコンに向かうこともできるので、身体的・気持ち的に楽ちんです。
**オンデマンドでの録画再生もできる
当初はWebで開催するときは生放送しかできないのかと思っていましたが今回は期間限定ながらあとから再放送を見ることもできるようです。どうしても開催当日に都合が悪かった人にとっても利便性が高く、助かります。
**「ながらワーク」ができる
場合によっては片付けをしながらなど他の仕事をしながらでもできます(集中力を保てるかどうかという問題はある)。前後の時間も自由に使えるので、仕事との調整が付きやすい。なんなら職場で聴講することすらできそうです。
**SNSとの親和性が高い
ワイワイとSNSで話をしながら参加するというのが新しいセミナーの楽しみ方です。(JSMO公式アカウントがFacebookに盛んに宣伝していたようですが、)リアルタイム性を考えるとやはりFacebookよりTwitterとの親和性が高いでしょう。Twitterでは ''[[#BOAJ2020:https://twitter.com/search?q=%23BOAJ2020]]'' というタグでリアルタイムで好きなことをディスカッションしている一派もいたようです…。
もともとASCO本体はTwitterをかなり積極的に活用していて公式タグ(#ASCO20)を設定したり((https://twitter.com/search?q=%23ASCO20))、影響力のあるツイッタラーのリストが作られたり((https://twitter.com/LucaDezzani/status/1266367347025010688))して、かなりSNSの利用に積極的です。ツイッタラーの1人としてはJSMOはこれまでTwitterの利用にはあまり積極的ではなかったように思いますが、これからの学会のニューノーマルとしてぜひ積極的にTwitterを活用できる学会になっていってほしいと思います。
#amptwitter(1268653351043952640)
*要望したい点
**開催日時
今回は予定外の急な変更だったのでやむを得なかったと思いますが、来年もオンラインでも良いのではないかと思います。しかし、1日だとスケジュールがかなりタイトで、できることなら開催時間は2日間あるほうがいい気がしますね…。
**その他
弁当は無くても自分で用意できるのであまり困りませんでした。最近(?)は毎年恒例のスイーツセミナーが無かったのは少し残念でしたが。。。
がん薬物療法専門医試験の解説セミナーは昨年だけ例外的に開催されただけだったのかもしれませんが、あれはBest of ASCOでしたっけね?(それとも教育セミナーAセッションでしたか?)あれもオンラインでも残してもらえればと思います。
*さいごに
オンラインでの教育セミナーは当初に予想していたよりはかなり充実度が高いものでした。これなら来年以降にCOVID-19が無くても毎年オンライン開催でもよいように思います。リアル開催の学術集会にも良いところはありますが、教育セミナーなどから順次Webへ移行していくものと思います。
最後になりましたが、登壇の先生方、参加者の皆さん、そして部会・委員の先生方、お疲れさまでした!