レ点腫瘍学ノート

がんゲノム/リキッドバイオプシー の履歴差分(No.2)


#author("2019-09-25T07:58:30+09:00","default:tgoto","tgoto")
#author("2020-04-11T09:54:52+09:00;2019-09-25T07:58:30+09:00","default:tgoto","tgoto")
#navi

----

末梢血中に流れ出している腫瘍細胞由来DNAを検出し、診断や治療効果判定などに活用しようとする技術。リキッドバイオプシーの中でもctDNA(血中循環腫瘍DNA)を活用した遺伝子解析は有用な技術の一つとして期待されている。BEAMing技術を用いたOncoBEAMなどの検査法がすでに実用化レベルに達しつつある。

Nat Rev Cancer 2017 Wan J.C.M et al.による総説あり。

**ctDNA(Circulating Tumor DNA;血中循環腫瘍DNA)
-DNA断片は細胞中のDNAと違い、120-160bpと断片化されており短い。
-したがって末梢血中のctDNAは数時間から数日以内に腎排泄され、血中半減期は短い。この特性により切除後は速やかに血中からwash outされ、また治療による病勢の変動を迅速に反映する。
-血中のDNAのうちctDNAが占める割合は、腫瘍および宿主の状態により大きく異なるため0.1-60%の範囲で変動する。これを検出するためには非常に低頻度の変異遺伝子も検出する技術が必要であり、このために後述のデジタルPCRなどで希少変異を検出可能なまで引き上げる操作が行われる。
-解析方法にはいくつかの方式がある。JAMA Oncol 2017 Oxnard et al.
--PCRベースでアレイspecificなもの?
--PCRベースでエマルジョン形成によるもの?
--amplicon based targeted NGS
--capture based targeted NGS

**BEAMing技術
Bead, Emulsion, Amplification, and Magneticsの各頭文字からなる。デジタルPCRとフローサイトメトリー技術を利用している。これにより血中の微量遺伝子変異を高感度に検出することができる。

*2020

**【レビュー】がんのリキッドバイオプシー

2020年1月に創刊されたばかりのNature Cancer誌ですが、毎回レビューに力が入っています。3月号のレビューはリキッドバイオプシーです。15ページに及ぶ内容で、現状利用可能なリキッドバイオプシーシステム、想定される臨床応用の場面、今後のctDNAを用いた臨床試験などの方向性などについての記載。

#ogp(https://www.nature.com/articles/s43018-020-0043-5,amp)

**非小細胞肺癌のスクリーニングをリキッドバイオプシーで行う
https://oncologynote.com/?25689853ce#content_1_2

*2017

**ホルモン感受性乳癌のctDNA Hybrid captureによるゲノムプロファイリング
Ann oncol 2017 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28945887

**【レビュー】BEAMingによる大腸癌リキッドバイオプシーの臨床応用
Ann oncol 2017 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28945877
**大腸癌のRAS変異
Nat rev coin oncol 2017 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28925996

**その他(#あとで読む)

https://stm.sciencemag.org/content/11/507/eaay1984.full