レ点腫瘍学ノート

がんゲノム/NCCオンコパネルで検出可能な生殖細胞系列遺伝子 の履歴差分(No.1)


#author("2020-12-04T08:07:26+09:00;1970-01-01T18:00:00+09:00","default:tgoto","tgoto")
NCCオンコパネルはFoundationOne CDxなどと違って組織検体の他に血液検体を採取してリンパ球DNAを解析しているために生殖細胞系列の範囲を検出できるという特徴を持っていますが、NCCオンコパネルが解析対象としている114遺伝子のうちで生殖細胞系列まで解析対象としている遺伝子は実は多くはありません。

開発当初では114遺伝子中、生殖細胞系列まで解析しているのは主要な13遺伝子に過ぎませんでした。


|BRCA1, BRCA2|Hereditary Breast and Ovarian Cancer|
|TP53|Li-Fraumeni Syndrome|
|STK11/LKB1|Peutz-Jeghers Syndrome|
|MLH1, MSH2|Lynch Syndrome|
|APC|Familial Adenomatous Polyposis|
|VHL|Von Hippel Lindau syndrome|
|RET|Multiple Endocrine Neoplasia Type 2, Familial Medullary Thyroid Cancer|
|PTEN|PTEN Hamartoma Tumor Syndrome|
|RB1|Retinoblastoma|
|TSC1|Tuberous Sclerosis Complex|
|SMAD4||

#ogp(https://products.sysmex.co.jp/products/genetic/AK401170/)

2020年12月現在はそこにATMなどのさらに3遺伝子が加わっています。

#ogpi(https://oncologynote.com/?7633106fd5)

*SNPとして除去される可能性に注意 [#u06a8d1c]

ちなみに、この生殖細胞系列以外の遺伝子に生殖細胞系列変異があった場合は解析結果はどうなるでしょうか。

シークエンスで検出されたバリアントを有意な所見と取るかどうかのフィルタリングとアノテーションの過程は複雑ですが、血液検体を採取している