レ点腫瘍学ノート

日記/2021年/11月2日/胆道癌で免疫チェックポイント阻害剤が有望という話 の履歴差分(No.1)


#author("2021-11-02T08:14:17+09:00;1970-01-01T18:00:00+09:00","default:tgoto","tgoto")
胆道癌のTOPAZ-1試験で免疫チェックポイント阻害剤デュルバルマブがOSを延長したという話が出てきました。

#ogp(https://www.astrazeneca.co.jp/content/az-jp/media/press-releases1/2021/2021110102.html)

#tweet(https://twitter.com/m0370/status/1455111457301942275?s=12)

予想外の方向からICI未開の地だった胆道癌一次治療に突如ケモコンボ承認が来る可能性が一気に高まりました。これはビックリしました。これまで胆道癌には免疫チェックポイント阻害剤が全く導入されていませんでしたが、TOPAZ-1試験がいきなり現在の標準治療であるGEM+CDDP療法にアストラゼネカのデュルバルマブを上乗せしてOSを有意に延長したという話が出てきて一気に情勢が変わりました。

詳細は今後発表される論文を精査してみなければわかりませんが、胆道癌の標準治療を変えるものになりそうであることは間違いありません。

デュルバルマブは進展型肺小細胞癌や浸潤型膀胱癌など、先行するニボルマブやペムブロリズマブと違ってややニッチな対象に適応を取る開発戦略をとっているように見えますが、消化器癌でも胃癌やMSI大腸癌ではなく胆道癌という比較的マイナーな領域での開発を成功させようとしているようです。

消化器領域ではデュルバルマブは他に肝細胞癌でも開発が進行しています。HIMALAYA試験で初回のみ抗CTLA-4抗体トレメリムマブでプライミングを行ったのちに4週間毎にデュルバルマブを継続するSTRIDEレジメン(Single Tremelimumab Regular Interval Durvalumab)でソラフェニブに対してOS延長を示しています。しかし肝癌領域では他に既に承認を得ているアテゾリズマブに加えて、ニボルマブ+イピリムマブやペムブロリズマブなども有望な結果を示しており、こちらの競争は激しそうです。

#navi(日記/2021年)