レ点腫瘍学ノート

日記/2021年/11月3日/STK11やKEAP1はKRAS変異陽性のときのみICI抵抗性に関与する の履歴差分(No.1)


#author("2021-11-03T12:32:40+09:00;1970-01-01T18:00:00+09:00","default:tgoto","tgoto")
非小細胞肺癌でSTK11やKEAP1は免疫チェックポイント阻害剤に耐性を生む変異と言われていたけど、それはKRAS変異の時のみで言えることで、KRAS WT非小細胞肺癌ではSTK11やKEAP1はICI耐性に関連しないようです。米国の主要がん拠点病院のリアルワールドデータの文献です。

#ogp(https://www.jto.org/article/S1556-0864(21)03284-6/pdf)

これって結構新しい話なのかと思って、過去にSTK11と免疫チェックポイント阻害剤の有効性に関する報告がどのようになっていたのかを辿ってみました。すると、そもそも2018年にSTK11がICI耐性だとか言い始めた頃にすでに「KRAS変異陽性肺癌では」ということになっていたようですね。今回のはそれを再確認しただけの話だったのか…

#ogp(https://cancerdiscovery.aacrjournals.org/content/8/7/822)

別の報告でも、Fig2を見ると症例数が少ないのですがやはり2018年の時点でSTK11とKRASがダブルで変異を起こしている症例は確かに免疫チェックポイント阻害剤が効いてないようです。ただし、少数例散見されるKRAS野生型症例もSTK11があってもICIが効いているというわけでもないように見えますが…。

#ogp(https://www.cell.com/cancer-cell/fulltext/S1535-6108(18)30123-5)

#navi(日記/2021年)