レ点腫瘍学ノート

日記/2021年/5月16日/映画『ビューティフル・マインド』 の履歴ソース(No.1)

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## 映画『ビューティフルマインド』を見ました。

映画『**ビューティフルマインド**』をAmazonプライムビデオで観ました。見応えのどっしりした作品でした。

『**ビューティフル・マインド**』は2001年のアメリカの映画で、ノーベル経済学賞を受賞した実在の天才数学者ジョン・ナッシュの生き様を描いた伝記作品です。ジョン・ナッシュはプリンストン大学の大学院などで数学の天才として活躍し、ゲーム理論やリーマン多様体などの研究で多大な業績を挙げた一方で、精神疾患(現在でいう統合失調症)大変苦しんだことでも知られている人物です。

## 精神疾患に苦しんだ天才数学者の半生を描いた物語

この作品は本人が大学院に入るところから始まり、数学を駆使した対ソ冷戦の暗号解読の研究員としてキャリアを形成してゆくところが前半にあたります。本人の視点から描かれた周囲の人々との人間関係が、はじめは「ちょっと風変わりな奴」として扱われていたのが徐々に病に精神を侵されて崩れてゆくところは非常にリアルで、まさに精神疾患を抱いた人からは世界がこのように見えているのだろうなと感じさせられる迫力がありました。

Wikipediaにあるコメントを見るとRotten Tomatoesによるコメントとしてとして「演技が優れている『ビューティフル・マインド』は感動的なラブストーリーであるとともに精神疾患に対する見方を啓発するものである。」と書かれており、特に統合失調症患者からの視点としての世界の描き方があまりにも迫真に迫るのでまさに手に汗握るという展開になっています。

本人からの視点を中心に描かれた前半に対して、精神疾患が明らかになってからは妻の視点・友人らの視点で物語が進行し、統合失調症に苦しむナッシュを周囲から見守る形になります。

現在ではいくらか治療薬も進歩し、それでも今なお本人と周囲の人々の人生に多大な影響を与える統合失調症ですが、20世紀半ばの医学水準では病勢をコントロールするのも容易ではありません。徐々に生活が崩れ、キャリアを脱線し、それでも懸命にその夫を支える妻の姿も胸を打ちます。

それはそうとして、妻のアシリア・ナッシュ役を務めるジェニファー・コネリーさんはめちゃくちゃ美しいですね。見た目はちょっと宮沢りえさんっぽさもあるように思いますが、病魔に侵される夫に献身的に接する姿は『明日の記憶』の樋口可南子さんを思い出しました。

華々しい業績を上げて天才と称えられながらもその実は統合失調症の苛烈な症状に大いに揺さぶられた男の反省を描いた作品です。2時間越えの大作ですが、ぜひ一度ご覧いただきたいと思います。
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