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#author("2022-12-01T00:43:12+09:00;2021-06-12T22:50:55+09:00","default:tgoto","tgoto")
#author("2023-01-09T18:00:51+09:00;2021-06-12T22:50:55+09:00","","")
**こちらから続く [#n7cfa67d]
#ogpi(https://oncologynote.com/?eaad40b042)
#ogpi(https://oncologynote.com/?b414deb648)
#ogpi(https://oncologynote.jp/?eaad40b042)
#ogpi(https://oncologynote.jp/?b414deb648)
* EA1131試験 #605 [#q964627e]
**術前化学療法でpCRとならなかったbasal-lineトリプルネガティブ乳癌に対する追加化学療法のCape vs プラチナレジメン [#h28ee866]
#tweet(https://twitter.com/matteolambe/status/1401547692325670924?s=20)
EA1131試験は、標準的術前化学療法を受けたのち切除を受けたが1cm以上の残存病変がありnon-pCRだったbasal-likeのトリプルネガティブ乳癌に対して、さらにカペシタビンかプラチナ製剤の術後化学療法を上乗せする比較試験です。
術前化学療法でnon-pCRだったトリプルネガティブ乳癌に対して術後にカペシタビンをさらに載せるのはCREATE-x試験で有効性を示されてすでに標準治療となっていますが、術後の追加化学療法の至適レジメンがカペシタビンなのかどうかを検証しようとしたデザインです。
トリプルネガティブ乳癌ですからBRCA変異などとの関連も想起させ、プラチナ製剤による治療がカペシタビンを上回ると予想した人も多かったと思いますが、結果を見てみると、、、
#tweet(https://twitter.com/mtcosb/status/1401743085189562368?s=21)
これは意外な結果でした。差が無いどころかカペシタビンはプラチナより優れているようです。理由については様々な考察がなされているようです。
basal-likeの中でもgBRCAなどHRDっぽいサブサブタイプの人は術前化学療法の感受性が高いためにnon-pCRとならずに、逆にpCRになってない症例はbasal-likeでもHRRっぽくない人(いわゆるBL2?)がセレクションされてるというようなことも考えられそうです。
#tweet(https://twitter.com/gantaisaku1105/status/1401701389743452167?s=21)
なお、このEA1131試験についてはJ Clin Oncolに早速文献が掲載されています。
#ogp(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34092112/)
#tweet(https://twitter.com/mtcosb/status/1401790737444851712?s=21)
*OylmpiA試験 #LBA1 [#t668548c]
**gBRCA変異乳癌に対する術後化学療法としてのオラパリブ vs プラセボ [#qd84a47f]
#ogp(https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/196707)
#tweet(https://twitter.com/SarahJMahMD/status/1401590155346157575?s=20)
gBRCA1/2乳癌の術後療法としてのこの辺は乳癌に詳しい先生に解説してもらう方が良さそうなので演題の要点だけ…。
#tweet(https://twitter.com/m0370/status/1400561865911009280?s=20)
当初はトリプルネガティブ乳癌に限定していましたが途中からはLiminal typeもエントリー可能となったようです。
#tweet(https://twitter.com/vc_neco/status/1362246391091720193?s=20)
NEJMにも同時掲載され、そのインパクトの大きさが伝わります。
#tweet(https://twitter.com/nejm/status/1400561679864238080?s=21)
**他にもNEJMに同時掲載された発表も [#a7f2e5cc]
ついでに、今回のASCO21に合わせてNEJMに掲載されたのは、KRAS G12C変異陽性非小細胞肺癌のソトラシブ(CodeBreaK100)や、進行尿路上皮癌の術後療法としてのニボルマブ(CheckMate-274)などがありました。
#ogp(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34096690/)
#ogp(https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/202106/570539.html)
#ogp(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34077643/)
いつもはもう少しNEJMに載ったような気もしたので、もしかして今年はNEJM的には惹かれる演題が少なかったんでしょうか??
*他にちょっと興味あるテーマ [#j7e1e55d]
** MBCに対する化学療法の治療強度を患者さん自身が決めるという発表 [#c20c4ff3]
#tweet(https://twitter.com/tkdmhawkeye/status/1401254921156976641?s=21)
周術期化学療法の治療強度は安易に落とさないことが重要ではありますが、一方で根治不能な状況では患者の考え方・価値観に応じてQOLを保った治療を考えることが重要なのは言うまでもありません。
こういう研究はなかなか大々的に取り上げられることがないのが少し残念で、今後こういう観点からの演題も増えてほしいです。ACPとか、老年腫瘍学(Geriatric oncology)にもつながるテーマ。
*eNRGy試験 #3003 [#x16481a8]
**固形がんの新たな治療標的NRG1 fusion [#hf2c2d43]
https://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.2021.39.15_suppl.3003
#tweet(https://twitter.com/samuntari/status/1401380758762102789?s=21)
eNRGy trialはエナジー試験と読むのでしょうか。
新たな臓器横断的としてNRG1 fusionが注目を集めているようです。ゼノクツズマブ(MCLA-128)の第1/2相試験のウォーターフォールプロットを見ると肺癌が多く「また肺癌かよー」という気がしなくもないですが、膵癌でもかなり見られるマーカーのようで、しかも分子標的治療暗黒大陸だった膵癌でも割と成績が良い。今後に期待です。
#ogp(https://www.onclive.com/view/zenocutuzumab-demonstrates-clinical-activity-in-a-variety-of-nrg1-cancers)
* U31402-A-U102試験 #9007 [#nd5e7810]
**EGFR-TKI不応非小細胞肺癌に対する抗HER3-ADC [#x1e9190a]
#tweet(https://twitter.com/asco/status/1402048494504906753?s=21)
EGFR-TKI抵抗性肺癌への抗HER3抗体を使った新規ADC、パトリツマブデルクステカンの第1相試験。EGFR-TKIの前治療歴があっても(それがオシメルチニブであっても)奏効率39%でDCRも7割前後あるのでかなりの好成績です。HER3(ERBB3)も今後は治療標的になってくるんでしょうか。
#ogp(https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/202106/570553.html)
* ICIにプロバイオティクス #4513 [#y09eba2d]
#tweet(https://twitter.com/kitsunestudy/status/1401738916617625604?s=21)
ニボルマブ+イピリムマブに整腸剤を併用するとORRもPFSも改善するという話。腸内細菌叢とICIの奏効の関係については多種多様な報告が上がっており、細菌叢のdiversityが関係していると言ったり抗菌薬投与は有効性を損ねたりするという話も耳にしますが、今回の研究は29例だけの第1b相のようなので今後の前向き検証的試験が必要ですね。
そもそも経口整腸剤がどの程度腸内に生着しているのか自体がかなり怪しいと思っているので(腸内細菌叢を外部から人為的に変化させるのはそう簡単ではなさそう)、どちらかと言うと経口プロバイオティクスがICIの有効性にそこまでの影響を与えることについてはやや懐疑的に見ています。あるいは、むしろdiversityを低下させてかえって逆効果な可能性もあったりして…。続報待ち。
**ASCOとTwitter #11039 [#n16023bd]
#tweet(https://twitter.com/tmprowell/status/1400928326034890754?s=21)
以前からも海外の学会に比べて日本は(日本循環器学会以外は)うまくインターネット、特にSNSを使えていないと思っていましたが、ASCOはうまくSNSとの融和を進めて行っているように思います。
日本ではまだweb開催が珍しかった頃の2020年6月から完全web開催で実施していますが、Twitter上でのASCOの存在感、あるいはASCOでの Twitterの存在感はどんどん増しているようです。
*まとめ [#g7ad4877]
今年は2020年に比べるとなんとなく予想された結果の演題が多くて、開けてビックリということは少なかったように思います。それでもKEYNOTE-811やEA1131など結果の解釈が悩ましいものもあり、また臨床試験の結果がOSの有意差だけでは確定できない新時代になってこの結果が承認許認可当局にどのように判断されるのか気になるものも沢山ありました。
ASCO21のうち注目の演題、またガイドラインを書き換えたりして日本の臨床に影響を与えそうな演題については、業界を代表するエキスパートの解釈を踏まえて解説講演をしてもらえるBest of ASCO Japanが来月に開催されます。
どの演題が採択されるのかは未定ですが昨年は新型コロナウイルス感染症のドタバタで1日に短縮されていたのが今年は2日間に復活しており、今から楽しみです。
#navi(日記/2021年)
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