レ点腫瘍学ノート

日記/2022年/12月20日/ガイドラインの新しい形 living guideline の履歴差分(No.1)


#author("2022-12-20T23:07:17+09:00;1970-01-01T18:00:00+09:00","default:tgoto","tgoto")
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ASCOドライバー変異陽性非小細胞肺癌ガイドラインは良いとして、living guidelineってなんぞやと思ったら、今までのように1〜2年に1回改訂されるようなトロいガイドラインはやめて、今後は新しいエビデンスが出るたびにその都度改訂する「生ガイドライン」を発行するらしい…

#ogp(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36534935/)

* living guidelineとは何か [#babe9b06]

JCOに[[living guidelineについて詳しく解説した文章:https://ascopubs.org/doi/pdf/10.1200/JCO.22.02344]]があった。ガイドライン作成の専門委員は4-6週間ごとに新規文献を拾い上げる。ガイドライン推奨を変え得るデータが出るたびに改訂案を作って委員会に諮り、承認を得られなければ前段階に戻り、承認を得れば適宜publishされる。

#ogp(https://ascopubs.org/doi/pdf/10.1200/JCO.22.02344)

今まででもNCCNガイドラインは年3-4回は改訂されて、日本のガイドラインとは改訂の速さが段違いではあったけれど、今後はそういう方法ではなく随時改訂という方法が当たり前になってくるのかもしれない(特に肺癌のように進歩が急速な領域では)

今後はASCOガイドラインのうち進歩の早い領域はliving guideline方式に順次移行してゆくが、そのトップバッターに選ばれたのが腫瘍学の中でも最も活発に進歩を続けるドライバー変異陽性非小細胞肺癌に対する分子標的治療だったというわけ。

ちなみにドライバー変異陰性の非小細胞肺癌は従来通りの改訂で2022年第2版となっている(それでも年2回改訂されるんだから日本のより圧倒的に改訂ペースが速いが)。同じ米国の[[NCCNガイドライン:https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/pdf/nscl.pdf]]はASCOガイドラインよりさらに改訂が早く、いま見たところ2022年第6版だった。

#ogp(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36534935/)

#navi(日記/2022年)

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