レ点腫瘍学ノート

日記/2022年/3月5日/エキスパートパネルを省略できる要件は現実的か問題 の履歴差分(No.1)


#author("2022-03-05T23:00:41+09:00","default:tgoto","tgoto")
エキスパートパネルを省略するための要件が発表されました。

これまで、がん遺伝子パネル検査の結果を解釈するために、がんゲノム医療中核拠点病院やがんゲノム医療拠点病院で各種の専門家がリアルタイムで集まって実施される専門家会議(エキスパートパネル)は、数多くのスタッフの時間と手間を要するため、がんゲノム医療中核拠点病院やがんゲノム医療連携病院の大きな負担となっていました。エキスパートパネルを行う前の情報収集や病歴サマリーの作成は必要な作業ではありますが、がん遺伝子パネル検査を実施したすべての症例の治療方針などを全員が集合して検討するには症例数が増えすぎて、効率が悪くなってしまっていたのです。

エキスパートパネルを行うための負担が大きくなると、毎週こなせる症例数に限りが出てきてしまい、エキスパートのために何週間のために何週間も待たなければならないという事態も発生します。組織検体ではなくリキッドバイオプシーでのがん遺伝子パネル検査が行えるようになると、検査そのもののTAT(検査を提出してから結果レポートが返却されるまでの時間)が数日短くなるとのことでしたが、そこで数日を短縮できてもエキスパートパネルを行うのに何週間も待つようだと意味がありません。エキスパートパネルを行うこと自体が、円滑ながんゲノム医療を阻害するという皮肉な結果を生んでいました。

そこで、エキスパートパネルを保険算定の必須要件から外そうという要望が出てきていたのです。