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#author("2022-07-17T18:14:03+09:00;2022-07-16T18:08:46+09:00","default:tgoto","tgoto")
&tag(がんゲノム);
コニカミノルタREALMの新しいパネル検査GenMineTOPが製造販売承認を得たそうです。今後、保険償還承認も目指します。
#ogp(https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP636599_V10C22A7000000/)
会社のプレスリリースにも出ています。
#ogp(https://www.konicaminolta.com/jp-ja/newsroom/2022/0715-02-01.html)
DNA及びRNAの2種類の遺伝子情報を解析する機能を併せ持つがんゲノムプロファイリング検査として、''GenMineTOP がんゲノムプロファイリングシステム''が製造販売承認を獲得したそうです。
製造販売承認と保険承認は異なりますがNCCオンコパネルとFoundationOne CDxは2018年12月に製造販売承認を獲得して2019年6月から保険診療で使用可能となったことや、他の検査手法も製造販売承認を得てから保険償還が認められるというステップを歩んでいるので、このGenMineTOPも半年後には保険診療で使えるようになっているかも知れません。
名前からもわかるようにTodai panelが下地になっていると思われます。こういう[[プロジェクト>https://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/news/release/20190606.html]]が背景になっていました。腫瘍細胞と非腫瘍細胞の療法を用いるとのことですが、非腫瘍細胞というのはNCCオンコパネルと同じように末梢血を採取してリンパ球DNAを使うということになりそう。遺伝子数はDNAでは737と過去のパネルでは最多です。
DNA及びRNAの療法を用いて解析するということになっていますが、RNAを用いるのは転写・スプライシングあとの産物を見るという意味があって、DNAだけでは読み取りにくい融合遺伝子やスキッピング変異などを高精度で読み取れるという目的があります。RNAシークエンスは非小細胞肺癌のMET exon14スキッピング変異などを検出する用途で既に保険診療でも使われていますね。融合遺伝子についてはNTRKなどはDNAシークエンスであるFoundationOne CDxでも読み取りは可能ですが、たとえばNTRKの融合相手が未知配列や希少配列である場合にはその融合遺伝子がコードされたmRNAを作り出しているかどうかがDNAシークエンスだけでは読み取れません。一方でRNAシークエンスのために用いる検体はDNA用のサンプルよりもさらに保存状態が厳しく求められるなどの条件があるかも?(詳細は実際のライブラリ調整プロトコルとか読み取りデータ閾値を見てみたいところです)
なお、737遺伝子と読み取り対象がFoundationOne CDxの324遺伝子と比べても抜群に多いですが、今のFoundationOne CDxの324遺伝子でも治療候補があるのはせいぜい20〜30、早期試験開発まで含めても50種類くらいではないかという印象なので、324遺伝子が737遺伝子が増えても実際に治療に繋がる割合はあまり増えないのではないかと予測します。
結局治療に繋がるかどうかは、初めて保険診療パネルで実現したRNAシークエンスがどの程度の希少変異などの検出に貢献するかということと、サンプルがどの程度使いやすいかという点(RNAシークエンスが加わる分だけサンプル採取に要求する条件が厳しくなるのではないかという懸念)など使い勝手の良さが決め手になってきそうな気もします。
#tweet(https://twitter.com/m0370/status/1548215482439806977)
#ogp(https://amzn.to/2LFD9I8)
#navi(日記/2022年)