レ点腫瘍学ノート

日記/2022年/7月27日/ニボルマブ・イピリムマブ併用のirAEの厄介さは一段上 の履歴ソース(No.1)

#author("2022-07-27T19:06:43+09:00","default:tgoto","tgoto")
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#tweet(https://twitter.com/yuruhuwa_naika/status/1551920451261272066)

肺癌じゃないけどイピニボで思ったのは、全身化学療法を終了して緩和ケア病棟や在宅緩和ケアの相談をしている頃になってからirAE腸炎や膵炎を経験して、ホントに最後まで厄介な薬だなぁと。ニボ単剤ならコートリルとチラーヂン飲みながら何とかなっても、irAEの下痢腹痛は緩和ケアと本当に相性悪い。

ニボイピはMSI大腸癌と食道癌でもたぶんかなりirAE頻度が違うのよな。ニボの量が同じだけど、イピはMSI大腸癌は最初の4回は3週毎に入るけど食道癌はイピは6週に1回しか入らず、この差のせいかと思う。ただ、これで言えば、イピの量がさらに多いメラノーマは本当に大変そう。

イピニボ話から色々見てると、免疫チェックポイント阻害剤の先進の地である悪性黒色腫はより洗練された免疫療法を実現するために様々な工夫がなされていて、この知見が他領域の免疫チェックポイント阻害剤の使い方にもヒントを与えてくれそうな気がする。

#ogp(https://dailynews.ascopubs.org/do/10.1200/ADN.22.201087/full/)

悪性黒色腫の世界で使えるのは3系統のICI(PD-1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG-3阻害剤)とBRAF阻害剤がメイン。全体としては多剤同時併用の方が予後が延長する傾向にあるけれど、これを全て投入するのではなく治療反応性を見ながら段階的に導入するなどによって有害事象を高めることなく治療効果を保つと言うための取り組みが色々となされているっぽい。

まだ確立された手法とはいえないようだけど、これが普及して来ればCTLA-4阻害剤の有害事象に悩まされることも減るかもしれない。

#navi(日記/2022年)