レ点腫瘍学ノート

日記/2022年/7月5日/エキスパートパネル効率的運用マニュアルを読んだ の履歴差分(No.3)


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#ref(https://oncologynote.com/img/1186a35dbf.jpg,nolink)

JSMOのサイトに''がんゲノム医療におけるエキスパートパネルを効率的かつ効果的に運用するためのマニュアル''が掲載されていた。2022年4月の診療報酬改訂で示されていたがん遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング検査)後のエキスパートパネルを省略可能な要件からさらに一歩踏み込むために書かれたものだと思われる。

#ogp(https://www.jsmo.or.jp/about/kanko.html#guideline)

JSMOのエキパネ効率的運用マニュアル、書いてあることはだいたいすでに実施されている施策が多いようなきもするけど興味深い記載も多い。たとえば、中核拠点のうち7施設はエキパネが勤務時間外に及んでいたって、残りは勤務時間内にエキパネが完結しているってこと??

治療に繋がった症例は2019/9〜2020/8の1年間の功労諸調査では8.1%(607/7467)。SCRUM-JAPAN GI-SCREENおよびGOZILAでは組織CGPで4.5%、ctDNAで9.5%。遺伝カウンセリングを推奨する二次的所見の発見率は2.3〜9.4%。これは他ソースですでに公開されていた既知の情報ではあるけれど、改めてがんゲノム医療に関わる人は把握しておくべき数字。やっぱり低い、せめて15%くらいは治療につながってほしい。

* 将来展望 [#m676045c]

将来像として(AI利用の項はさておき)日本は当初はがんゲノムに習熟した医師が少なく遺伝学の専門家へのアクセスも難しかったため黎明期にはエキパネが必須だったが将来的には各施設判断への移行、全例エキパネを必須としないルートの整備などが挙げられている。

もう一つ興味深い記述として、放射線診断医や病理医のようにがんゲノムプロファイリング検査に基づいて臓器横断的な結果解釈を行う専門医制度の導入、が検討すべき課題の1つに挙げられている。気の遠くなるプランだが、これは妥当な解決策の1つかも知れない。

その専門医に業務負担がめちゃくちゃ押し寄せてパンクするかもしれないが。。。

#navi(日記/2022年)
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