レ点腫瘍学ノート

日記/2022年/9月2日/胆道癌に免疫チェックポイント阻害剤デュルバルマブがFDA承認 の履歴の現在との差分(No.2)


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#author("2022-12-01T00:43:12+09:00;2022-09-02T22:13:33+09:00","default:tgoto","tgoto")
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2022年9月2日、米国FDAが進行胆道癌のGEM+CDDP療法へのデュルバルマブの上乗せの承認というニュース。

#ogp(https://www.fda.gov/drugs/resources-information-approved-drugs/fda-approves-durvalumab-locally-advanced-or-metastatic-biliary-tract-cancer)

685人を対象に実施した第3相TOPAZ-1試験の結果をもとに承認された。OSはGC療法が11.5か月のところをデュルバルマブ上乗せで12.8か月、HRは0.80ということで他の癌腫の目覚ましい効果を見慣れてしまうと劇的な効果とは言い難いところ。しかし胆道癌はもともと非常に治療効果の乏しいところなので、免疫チェックポイント阻害剤が登場したのは画期的と言える。

#ogp(https://evidence.nejm.org/doi/full/10.1056/EVIDoa2200015)

ところで、これなぜ掲載誌がNEJM evidenceというNEJMの弟分なんでしょう。今後伸びてくる雑誌なのかもしれないが、Lancet Oncolなどに十分乗りそうなインパクトがあるので少しもったいない気持ちも。

一方で、このTOPAZ-1試験とデュルバルマブが目立ってしまったために日本発であるGCS両方の存在感が一層薄れてしまうことに。まあ、S-1というのがどうやっても欧米人にはウケないのかもしれないが。

[[アストラゼネカのプレスリリース>https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2021/2021110102.html]]にもあるようにTOPAZ-1試験には日本コホートも含まれているので、近いうちに日本でも承認されることが期待される。

#navi(日記/2022年)
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