レ点腫瘍学ノート

日記/2023年/3月19日/学会のSNS発信についての一考 の履歴差分(No.5)


#author("2023-03-24T22:41:44+09:00;2023-03-19T22:07:44+09:00","default:tgoto","tgoto")
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#ref(https://oncologynote.jp/img/8e580c642d.jpg,nolink)

JSMO2023における学会公式Twitterアカウントを通じて、学会のSNS発信に関して抱いた雑感をメモしておきます。

#contents

* JSMOはオープンにSNSをやる風土がなかなかない [#q7f21674]

#tweet(https://twitter.com/m0370/status/1637083929588174848)

循環器学会とJSMOは会員数も学術集会参加者数も違うのは確かですが、参加者数の差はせいぜい3〜4倍。なのにSNSのアクティビティは10倍以上の差があるように思います。

循環器学会は実名アルファ会員が多いという強みがある。実名なので学会がTwitter協力員を指定して、学会公式アカウント以外の協力員がどんどんSNSで活動範囲を広げていってくれます。

#ogp(https://www.j-circ.or.jp/topics/jcs2023twitter/)

しかしJSMO会員はがん患者さんがアカウントを見ることを考慮すると、実名でのSNSでの「遊び」をオープンにすることが難しいです。病気の性質上、どうしても主治医の実名での活動はデリケートで保守的なものにならざるを得ません。そのため、匿名の腫瘍系アカウントの多くは、身分を明らかにすることを嫌がるでしょう。

日循のSNS協力員の仕組みをそのまま輸入することは難しいかもしれませんが、公式アカウントではなく周辺の会員にSNS広報を手伝ってもらう折衷案は検討の余地があるでしょう。匿名のままでも協力してくれるサポーターを増やすことも求められます。

#tweet(https://twitter.com/m0370/status/1637103854310526977,noconv)

* 学会のハッシュタグの利用者を増やすために [#rfad8b58]

#tweet(https://twitter.com/m0370/status/1637090598393114624,noconv)

将来的に「実現すればインパクト大」と考えられるのは、(これも日循の一部受け売りですが)スライド撮影やSNSアップロードなどの公開の承諾を演題登録時に得ておくことです。特にチーム医療や啓発系・教育系の発表などは公開の承諾を得やすいのではないでしょうか?

#tweet(https://twitter.com/gudenyuden/status/1637112977299247104)

ASCOやESMOはもう発表してる途中からどんどんスライドの写真がTwitterに流れてきて、大型演題だと現地とほとんどタイムラグなくキースライドが見られます。(あれは本当に承諾得てるのかどうか知りませんが)

#tweet(https://twitter.com/Noboru_Hagino/status/1637434061215121411,noconv)

* ハッシュタグを使う人が増えれば学会SNSの広報にも広がりが生まれる [#uf8030a1]

実名匿名問題や協力員制度はセンシティブなので一旦置いて、他でできることを探してみましょう。

SNSは学会に参加する人だけでなく、参加できなかった人や一般の人にも学会の内容や雰囲気を伝えることができる有効なツールです。特にTwitterは、140文字以内で簡潔にメッセージを伝えることができるので、スライド撮影やSNSアップロードなどの公開の承諾を得ていれば、発表者や聴衆からリアルタイムに情報を発信することが可能です。また、他の参加者や関心のある人と交流することもできます。

#tweet(https://twitter.com/JCIRC_IPR/status/1502965864127410177,noconv)

海外の大型学会では、ASCOやESMOなどでは、Twitterを使って学会情報を発信する人が多くいます。例えば #ASCO20 では45000個もツイートがあったそうです。これは参加者が多いこともありますが、学会自体もこのタグの利用を推進しています。

#tweet(https://twitter.com/ASCO/status/1268651685838311425,noconv)

日本でもこのようなSNS活用が広まれば、オンコロジー分野の知見や議論がより広く共有されるようになると思います。しかし、それにはまず参加者(巻き込む人)を増やす必要があります。どうすれば巻き込む人を増やせるか。

* 広報担当者だけでは限界がある [#t4680512]

今回 @JSMO_official 自体の情報発信は比較的充実していたし中の人のマンパワー的に公式垢にもっと発信を充実させろというのは難しいと思います。学会広報アカウントが単独で活動を増やすことには限界があるし、学会広報委員会のできることも限られているのが実情です。

最近の課題として、JSMO周辺のアカウント(私自身を含む)の活動を、質的にではなく量的にどう拡大していくかが悩ましいものの一つです。質的な面では、現時点でそれほど悪くないと感じていますが、量的に広げていくためには、なんと言っても参加者を増やす必要があります。では、どのようにして参加者を巻き込んで増やしていけるのでしょうか。

例えば、学会理事クラスの実名アカウントは数個存在していますが(私が知る範囲で4つほど)、今回の #jsmo2023 への言及は1つのアカウントを除いてほとんど見られません。その1つのアカウントでも、海外のオンコロジストへの情報発信が主体であり、英語のみの活動となっています。フォロワー数も多くて1000程度で、この状況ではアカウント活動がなかなか広がっていくことは難しいと言えます。

また、Facebookが主戦場となっている先生方もJSMOには多く見られますが、私がTwitterを好んで利用していることを考慮しても、知人友人への近況報告などには適しているものの、世間一般へのアウトリーチという観点からはFacebookは「ほぼ無意味」と言えるでしょう。実際に、Facebook上での投稿に「いいね」しているのは知り合いだけであり、会ったことのない人へは情報がほとんど届かない状況が続いています。

* 他学会の取り組みから学んでゆかなければ [#of702cd5]

学会のSNS活用について、理事や教授クラスの方々にはせめて自施設からの発表を宣伝するくらいのことをしてほしいと思います。JCOGや大学医局のアカウントも参加して、公式タグ #JSMO2023 を使って情報を発信してもらえると、学会側もメールだけでなく公式タグの利用を促すことができます。タグを検索するだけでたくさんの情報が流れる状態を作ることが目標です。

末端会員の方々も「こんな発表聞いた」「◯◯が勉強になった」といった感想をタグを使って投稿してほしいです。日循方式(Twitter協力員制度)が難しければ、投稿者は匿名のままでも構いません。演題登録時に撮影可能な発表は公開の承諾が取れていれば、写真も投稿しやすくなりますし、会場の雰囲気も伝わります。

#tweet(https://twitter.com/anyakusurisuki/status/1637402877990928385,noconv)

日循の実名Twitter協力員制度やASCOのインフルエンサーランキングが学会の性格に馴染まない場合は、不整脈心電学会のように会場リポート5名に報奨制度を導入するのも一つの方法です。これなら実名でも匿名でも運用でき、学会事務局のマンパワーへの負荷も小さいですし、手軽に始められます。

#tweet(https://twitter.com/JHRS_PR/status/1614895109480525824,noconv)

ASCOのタグでインフルエンサーランキングを行っている @OncoAlert などは、大規模な学会で実現可能な方法ですが、現在のJSMOの規模では(質的にではなく量的に)参加アカウントの数が少なすぎるため難しいかもしれません。

#tweet(https://twitter.com/OncoAlert/status/1267196824244420614,noconv)

そんなSNSを巧みに活用しているASCOでも、実は約15年前は現在とはかなり様子が違っていたようです。つまり、10年間をかけて現在のスタンスを築き上げてきたわけです。コロナ禍という時代背景により、このスタンスがさらに適切にマッチしているとも言えるかもしれません。

#tweet(https://twitter.com/Yoh_tw/status/1637410838947729408,noconv)

#ogp(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3396806/)

ヤンデル先生は、他の学会でのSNS広報についても以前から活発に情報発信を行っており、そのツイートも参考になります。特に下記のツイートからのツリーは、学会のSNS担当者だけでなく、広報活動に興味がある方にもぜひ一読していただきたいと思います。

#tweet(https://twitter.com/Dr_yandel/status/1637253745032699906)

マンパワーやお金をそれほどかけず、匿名アカウントへの実名化を強要せず、見ている人(患者を含む)が不快に思わない方法で、それでも #JSMO2023 のTwitter利用をもう少し盛り上げる余地はあったのではないかと感じます。この点は、今後の #JSMO2024 や #JSMO2025 などの学会に向けての課題として残ります。

#navi(日記/2023年)

#pcomment