レ点腫瘍学ノート

日記/2024年/3月24日/軟部肉腫のGEM+DTXレジメン申請資料 の履歴ソース(No.1)

#author("2024-03-24T20:24:07+09:00;1970-01-01T18:00:00+09:00","default:tgoto","tgoto")
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2024年2月26日の厚労省通知で進行軟部肉腫に対してGEM+DTXも認められるという情報が出ていたので、それのレジメン申請用の資料です。

https://www.jges.net/wp-content/uploads/2024/03/e61aad662b27e9417ea75179604eb8ac.pdf

GEMをday1,8に900mg/m2、DTXをday8に70mg/m2に投与し、これを3週回し。

#tweet(https://x.com/m0370/status/1767220068835107094,nolink)

そのレジメン申請資料としては、以下の文献が使えそうです。

*** 日本の多施設後方視的報告 [#e07340bb]

#ogp(https://wjso.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12957-016-1059-2)

合計134名の患者が分析され、GEM+DTX療法は9人に対して術後補助療法的設定で、23人に対して一次治療で、56人に対して二次治療で、46人に対して三次以上の治療で行われました。全患者の応答率(RR)は9.7%で、一次治療または補助治療で治療された患者のORRは18.8%と高いものの、二次以上の治療で治療された患者のORRは6.9%と低い傾向でした。

全患者の中央無進行生存期間(PFS)と全生存期間(OS)はそれぞれ4.8ヶ月(95%CI 3.5–6.1)と16.4ヶ月(95%CI 9.8–22.9)でした。結論として、一次治療および二次/以降の治療として使用されたGEM+DTX療法は、進行した骨および軟部組織肉腫の患者の一部に対して有効な化学療法であり、とくに初回治療例ではより高い応答率と良好な成果が得られました。

*** 日本の単施設報告 [#k5004442]

#ogp(https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0176972)

2006年10月から2015年9月にかけて、東北大学病院でこの療法を受けた骨または軟部肉腫の患者42人のデータを後ろ向きに分析し、患者は42人(男性23人、女性19人)が含まれており、95%の患者が既治療例でした。骨肉腫の患者は8人、軟部肉腫の患者は34人でした。全体の応答率は6.9%、疾患コントロール率は55%でした。中央無進行生存期間は2.3ヶ月、中央全生存期間は14.3ヶ月でした。3度以上の好中球減少症と発熱性好中球減少症は、それぞれ全患者の74%と4.8%に観察されました。

もともと希少がんであり、前向きな臨床試験ではなく後方視的データなどから正規の承認ではなく保険審査上の特例として認められたということに注意が必要です。しかし、治療手段が乏しかった患者層に対してこれらの治療選択肢が提示されたことは非常に貴重なことです。

#navi(日記/2024年)

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