レ点腫瘍学ノート

日記/2024年/3月26日/第24回がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会 の履歴ソース(No.1)

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* がん診療連携拠点病院の指定更新 [#d62dc2ca]

先月開催された「第24回がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」の議事録が公開されました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou_128567.html

この会議では、新規指定や指定変更の審議が行われましたが、大きな驚きはありませんでした。いわゆる「イエローカード」である特例型になっていた施設のうち要件を満たしたものは通常の拠点病院に復帰し、一方で基準を満たさないものは拠点の認定を失うか格下げになるなどの決定がなされました。

放射線治療医と病理医の常勤が不足しているため、地域がん診療連携拠点病院の指定を更新できない施設が多数あり、このことが問題視されています。この件を受けて、国は学会に働きかけることを表明していますが、抜本的な解決には至る道のりは簡単ではありません。

* 時間外のカンファレンスを「自己研鑽」扱いとする問題について [#lb9b6e06]

議事録の中で、医師の時間外労働を「自己研鑽」扱いにすることについて興味深い記載があります。それは、診療科カンファランスの開催が拠点病院の重要な指定要件であるため、万が一そのカンファランスへの参加を業務ではなく「自己研鑽」扱いしている病院があれば非常によろしくない、という発言です。この指摘は、各病院の管理職に向けられたものと考えられます。

議事録には「中国地方の総合病院で」という記載がありますが、これは2023年11月20日付の朝日新聞が報じた名古屋大学病院((https://www.asahi.com/articles/ASRCC4T3WRCBUTFL00N.html))の件を指していると思われます。つまり、録音から議事録への文字起こしの際に「中部地方」と誤って記載されたものと推測されます。

名古屋大学病院では、時間外の教育・研究を無給の「自己研鑽」扱いとする内部文書が存在したことが報じられました。この問題に対し、がんサバイバーで「がん診療連携拠点病院等の指定検討会」の構成員である村本高史氏から、患者側の視点から厳しい意見が出されています。

#ogp(https://www.jcancer.jp/news/12096)

いよいよ2024年4月から医師の''働き方改革''の規制が本格的にスタートしますが、各病院は自己研鑽や宿日直許可などの手法を駆使して、業務を減らすことなく医師にタダ働きを強いようとする姿勢が見え隠れしています。医療者や厚生労働省関係者は、時間外労働問題に対する感覚が麻痺しがちですが、患者側からの指摘は貴重なものと言えるでしょう。

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