レ点腫瘍学ノート

書籍/がん診療レジデントマニュアル第8版 の履歴の現在との差分(No.6)


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- 第8版編集責任者は、岩佐悟先生、後藤悌先生、福原傑先生、松原伸晃先生、森実千種先生、山本昇先生。東病院からは向井先生が抜けて松原先生が入りました(泌尿器系の先生が加わるのがIO時代っぽい!)。
- 511ページ、530ページ、570ページと徐々に厚みは増していますが税抜き価格は4000円据え置きです。内容はESMO2018頃までを収録っぽいです。
- 今までなぜか無かったNET/NEN/間質腫瘍の章ができ、甲状腺と頭頸部は一つの章になりました。総論は腫瘍随伴症候群はわずかに簡略化される一方でIrAEの章が独立しました。
- いつも最新の話題などを掲載する「memo」は前回から既にがんゲノム医療を意識してたので、前回ほどは雰囲気激変のインパクトはないかも?
- ASCO2018プレナリー演題の、HR陽性HER2陰性早期乳癌ではoncotypeDXのRS25以下ならET単独でもCTxに遜色ないというTAILORxの結果も載ってる!!(ただしN陰性だけを対象としたことは書いてないから原典を知らない人は解釈を誤るかも…)
- パルボシクリブ、オラパリブ、TAM10年、LHRHa、術後ペルツズマブまでは載ってる。
- そういえば乳癌にFECが載ってない。でも前版から載ってない。
- ESMO2018までとは言いながら、胃癌はFOLFOXやTAGS試験も載ってる(FDT/TPIは保険外と注釈付)。食道癌FOLFOXは載ってない。わりと最近でも肝癌ラムシルマブは載ってる。肝癌はなぜか本邦未承認のカボザンチニブも載ってる(UFTみたいに承認されてても存在を抹消された存在もあるのに…)。
- 胆管癌はESMO2018までを載せるということなのでGCSも載ってる。
- 膵癌は今でもGEMエルロチニブは載ってる(使ってるところあるのかしら)。
- 泌尿器科。ページ激増かと思いきや割当ては20ページで変わりなしです。UICCが第8版2017年に改訂。腎細胞癌はstageIVなら原発巣切除可能でも非切除が切除治療に非劣性を示したCARMENA試験の内容も踏まえて掲載されてます。また薬物療法では当然イピニボ併用を掲載。
- 淡明細胞型腎細胞癌ではIMDCの低リスク群では一次治療でスニチニブ・パゾパニブを推奨と書きつつ隣にイピニボを併記してますが(217ページ)、本邦ではイピニボ併用はIMDC中リスク・高リスクにしか保険承認されていないはずなので要注意です。カボザンチニブも本邦では使えない。
- 腎細胞癌では、イントロンAだけでなくソラフェニブも消えました。そして前立腺癌はもっと大きく変わってる…
- 前立腺癌では、ゴセレリンが消えて(消えた理由は不明)リュープロレリンに統一、プロスタールやプロセキソールなどの抗アンドロゲン療法も大幅削減(ビカルタミドとフルタミドは残ってる)。
- 化学療法は前版で既にCHAARTEDやSTAMPEDEなど積極療法に言及していたので著変ないがADT+アビラテロン併用が掲載。Upfront療法(初期からADTにDTXかアビラテロンを併用する)をETと化学療法とは別の段落にまとめるように並び順が大幅変更。

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