レ点腫瘍学ノート

胃癌/CQ/SPとSOXの比較 の履歴差分(No.1)


#author("2018-09-28T16:53:39+09:00","default:tgoto","tgoto")
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胃癌治療ガイドライン第5版(2018年)から、切除不能進行再発胃癌に対する化学療法のうち、推奨される一次治療の1つとしてSOX療法が掲載された。オキサリプラチンは2014年から胃癌に対して保険適応となっており、これによりCAPOXやSOXが実臨床でも使えるようになった。SOX療法は大量の輸液を要さないため治療が短時間で完結し、外来通院でも行いやすく簡便な治療であることから、実臨床での使用例は急速に増えつつある。

**G-SOX試験(第3相)

-胃癌学会/2014で発表。ただしPFSについてはASCO-GI/2013で発表。
-SOX療法とSP療法の比較試験。なお、オキサリプラチンは100mg/m2である。
-SOX療法群317例、SP群324例。組織型ではIntestinal型が約45%、Diffuse型が約55%、原発巣ありが約75%。
-PFSはHR 1.004(95%CI 0.840-1.199)で非劣勢マージン1.30を上回ったためSOX療法のSP療法に対する非劣性が示された。
-OSはSOX療法群14.1カ月、SP療法群13.1カ月でHR 0.969(95%CI 0.812-1.157)で非劣性マージン1.15をわずかに上回ったためSOX療法のSP療法に対する非劣性は示されなかったと考えられた。しかしPS 2かつ再発例の症例が1例だけSOX療法群に含まれているためにPPS解析での解析漏れが1症例生じ、この1症例を含めて再解析すると非劣性マージンが1.15を下回るために非劣性が示されるとの結果となった。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/201403/535632.html

/Ann Oncol 2015 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25316259

**G-SOX試験のETS解析

G-SOX試験をもとに早期腫瘍縮小効果(ETS)に関する検討もなされた。SOX療法とSP療法でETSとDpRに大きな差はなく、また20%以上の早期腫瘍縮小が得られた症例や大きなDpRが得られた症例はPFSやOSが良好であることが示された。
/Gastric Cancer 2018 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29948386