レ点腫瘍学ノート

GIST/はじめに の履歴ソース(No.2)

#author("2019-12-27T17:14:16+09:00;1970-01-01T18:00:00+09:00","default:tgoto","tgoto")
*GIST(消化管間質腫瘍)
-カハール介在細胞(interstitial cells of Cajal)の前駆細胞由来の間質腫瘍。
-カハール介在細胞ではKIT(c-kit遺伝子)が発現している。
-カハール介在細胞は消化管自発運動のペースメーカーとして働いている。
−なお、カハールは第6回ノーベル医学生理学賞の受賞者だがカハール介在細胞とは関係ない業績で受賞している(ニューロン説での受賞)
*発生部位
-発生部位は胃が60~70%と最も多く、小腸は20~30%、大腸と食道は約5%。胃癌側から見れば胃癌の2〜3%、小腸腫瘍の14%程度。(GIST研究会)
-50〜60代に多い。
-100万人あたり20人/年程度の発症頻度
-壁内発育型、管内発育型、管外発育型、混合型がある。
*家族性
-遺伝性GISTは数家系が報告されている。発症年齢は30〜50代が多い。
-小児での発症はまれながら、カハール介在細胞の過形成を伴っており先天的・遺伝的要因が考えられている。(GIST研究会)
*診断
-GISTの約90%以上でKIT蛋白の発現。ほかにPDGFRα蛋白の変異が見られることも数%ある。また、非常にまれながらKITとPDGFRαの両方に異常がないものも存在するとされている。
*悪性度
GISTは良性悪性の区別が難しく、再発リスクの高い低いで分けられる。

** NIH-FletchercriteriaforGISTriskassessment
|分類|腫瘍径|細胞分裂像数|
|超低リスク|<2cm|<5/50HPF|
|低リスク|2〜5cm|<5/50HPF|
|中リスク|<5cm|6~10/50HPF|
|中リスク|5〜10cm|<5/50HPF|
|高リスク|>5cm|>5/50HPF|
|高リスク|>10cm|Any Mitotic Rate|
|高リスク|Any size|>10/50HPF|

細胞分裂像数=高倍率視野50視野当たりの細胞分裂を示す腫瘍細胞数